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COPDも?死に至る病気はがんだけではありません。だから「今すぐ禁煙」! |ビッグフロント広島内科・呼吸器科|能島大輔 先生 | 病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2017年4月5日時点の情報です)

能島 大輔 先生(内科)

COPDも?死に至る病気はがんだけではありません。だから「今すぐ禁煙」!


ビッグフロント広島内科・呼吸器科
【住所】広島県広島市南区松原町5-1 ビッグフロントひろしま4F
【TEL】 082-569-1181

COPDも?死に至る病気はがんだけではありません。だから「今すぐ禁煙」! |ビッグフロント広島内科・呼吸器科|能島大輔 先生
呼吸器一般、特に感染症や喘息などの良性呼吸器疾患がご専門の能島院長

日本では近年、様々な施設での分煙や全面禁煙が進んでいますが、この2月には「飲食店は原則禁煙」などの受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案をめぐり、厚生労働省が小規模居酒屋や焼き鳥店なども全面禁煙にする方向での議論に入った事が伝えられました。
未成年が原則立ち入らない床面積約30平方メートル以下の小規模なバーやスナックは例外としていますが、この法案が通ると受動喫煙防止の幅がさらに広がる一方、喫煙者はさらに肩身の狭い思いをする事になりそうです。
今回は、今年2月に「ビッグフロント広島内科・呼吸器科」を開業された能島大輔院長に、たばこが与える悪影響についてお聞きしました。
発がん率の高さは多くの方が知るところですが、最近はたばこによるCOPD、肺気腫で亡くなる方が増えているようです。
喫煙者の中には、たばこが健康被害をもたらす事や、自分のみならず周囲にも健康被害を与える事は分かっているけれど、それでもやめる事ができないため周囲に気を遣いながら吸い続けていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
ここで一念発起、医療の力を借りて禁煙にチャレンジしてみませんか?

たばこが肺に与える影響を教えてください

たばこの中には有害物質が200種類くらい含まれており、誰でも聞いた事があるような物質だとダイオキシンといった物質なども入っています。
たばこを吸われる方はそれによって健康を害されていますので、とにかく体に悪いだけで良い事は一つもありません。
喫煙によって肺自体がどんどん弱っていくと肺気腫、COPDという病気に進行していきますが、これはとにかく【動いた時に息が切れる】病気です。
たばこを吸っている方で「最近、動くと息が切れるな」という方は黄色信号だと思いますので、一度検査をしてみた方がいいかもしれません。

たばこを吸い始めてどれくらいで症状が出るのですか?

患者さんはとにかく喫煙歴の長い方が多いですから、20〜30年吸われている方は症状が出始めておかしくないと思います。

逆に言うと、若い方が肺気腫になる事はないのでしょうか?

肺気腫は急速になる病気ではなくゆっくり進行してくる病気ですから、若い方はそのような恐れはないのですが、それ以外にもたばこはいろんな病気を引き起こします。
それこそ各種がんは本当に「こんなものまでたばこと関連あるの?」というようながんがたばこに関係していたりします。
たばこを吸うと発がん率が上がると言われており、そういう面からもとにかくたばこは体に良くありません。一昔前ニュースになった石綿(アスベスト)は、何もない方に比べて発がん率が5倍になると言われていますが、たばこは10倍と言われています。テレビの取り上げられ方などは石綿の方が圧倒的に大きかったですが「たばこの方が断然悪いじゃないか」と私は思っていました。

ちなみに石綿(アスベスト)はどのようながんを引き起こすのですか?

アスベストというのは断熱材などに使われている事が多く、吸い込む事によって肺の中で塵肺(じんぱい)のような影をとる事もあるのですが、肺の外側の胸膜が肥厚してくるような病態を引き起こす事がよくあります。それが腫瘍化すると悪性胸膜中皮腫という病気になります。職業性に曝露されないとそのような病気にはなりませんので、かなり大量に曝露されているのだと思いますが、胸に水がたまって(胸水)受診される方が多いです。

ところで肺気腫というのはCOPDのうちの一つなのですね

COPDはいくつかタイプに分かれますが、大きく分けるならば「慢性気管支炎」というタイプと「肺気腫」というタイプに分かれます。
慢性気管支炎というのは痰が多く出て、CTなどではあまり所見がありません。それに対し、肺気腫というタイプは肺が空洞だらけになり、正常な呼吸ができなくなるような病態を示します。

たばこ以外にも原因はありますか?

大気汚染などでもなると言われていますが、現在この病気にかかっておられる方のほとんどはたばこが原因です。

副流煙によって、ご家族などがCOPDになる事はありますか?

肺気腫はさほど確率は高くないと思いますが、受動喫煙で一番問題になるのは「発がん」です。受動喫煙でも各種がんの発がん率は上がってしまうため、今、日本は受動喫煙を禁止していこうという方向で動いています。今度、バーなどを除いて飲食店が全面禁煙になりますが、これも受動喫煙を防止する政策の一つで「公共の場でほとんどたばこが吸えないようにしてしまう」というくらいに政治自体が進んできています。
すでに今も、たばこを吸われている方はかなり肩身が狭いと思いますが、これからはさらに肩身が狭くなると思います。

「今がやめどき」なのでしょうか

そうですね、やめどきだと思います。
ただ、たばこをやめられない方はニコチン中毒という、言ってみれば麻薬がやめられない方と似た状態であり、自分の意志でなかなかやめられないのはニコチンに依存ができているためです。
薬物依存の方は専門の医療機関やカウンセリングで麻薬をやめていく形になりますが、ニコチンも同じように今は保険で治療ができますので、たばこをやめたいという気持ちがある方はぜひ医療機関で禁煙治療をされるのがよいのではないかと私は思います。
世界では4位か5位だったと思いますが、今はCOPDが日本国内の死因でも数として上がってきており、8位になっています。

COPDから進行してがんになる、という事ではなくCOPDで亡くなるのですか?

そうです。呼吸ができなくなり亡くなります。肺気腫になってしまうと治る事はありませんが、たばこをやめる事で進行が緩やかになります。
COPDの増加はたばこの消費量と比例しています。つまり、たばこの消費が増加してきた頃から何十年も遅れて今COPDが増加しているところです。現在も増加中ですし、これからCOPDが原因で亡くなる方はさらに増えると思います。

今は昔に比べて喫煙者が減っているので、数十年後はCOPDで亡くなる方も減るでしょうか?

全体として喫煙率は下がっていますので、おそらくこれから一旦ピークを迎えて減っていくのではないかという風には思います。

保険適用の禁煙治療にはニコチンパッチと飲み薬がありますが、患者さんが選択されるのですか?

選択される形でもよいですが、より確実にやめられるのは飲み薬の方になります。
過去、ごくわずかですが副作用で意識障害などが出た方がおられるので内服中は車の運転を控えていただく事になりますが、禁煙の成功率が非常に高いので、車の運転さえクリアできるのであれば飲み薬の方が良いと思います。

ところで肺の機能って、どのように確認するのでしょうか

スパイロメトリーという肺活量の検査で調べます。息を思い切り吸って思い切り吐く事で息の吐きやすさと肺活量を見るのですが、息を吐くスピード、つまり息をどれくらい吐けるか(1秒率)が70%、肺活量(%肺活量)が80%、というのが異常か正常かの境目になっています。それによって4つのカテゴリーに分けられ、どんな病気が多いのか分かれています。

では、禁煙治療に来られた方というのはまずこの検査をするのですか?

いえ、禁煙治療はあくまでもニコチン依存に対する治療ですので、肺機能検査はご希望があればCOPD、肺気腫のチェックをするために追加でさせていただく形になると思います。
つまり、たばこを吸われる方の場合は禁煙のためにするわけではなく、たばこをたくさん吸っている事で肺がどれだけ傷んでいるかというのをみるためにする検査です。
ただ、最近の肺機能検査は「肺年齢」というのが一緒に出るようになっています。
たばこを吸うと、平たく言えば肺が歳をとりやすくなるという事ですから、肺年齢95歳などとすぐ出てしまいます。

たばこをやめたら肺年齢は若返りますか?

ぜんそくなどは元に戻りますが、COPDは元には戻りません。

怖いですね…。やめたいけどやめられない、そんな方はどうすればいいのでしょう?

「今すぐ禁煙」というのが合言葉、吸われている方はとにかく早くやめてください。
繰り返しになりますが、たばこをやめるという事は麻薬をやめるのと同じで、気持ちだけではどうにもならない部分が大きいですから、今まで何度も禁煙に失敗している方も、医療の力を借りに来ていただけると成功率が上がるのではないかと思います。

COPDも?死に至る病気はがんだけではありません。だから「今すぐ禁煙」! |ビッグフロント広島内科・呼吸器科|能島大輔 先生
白と茶でシックにまとめられた院内は
次亜塩素酸水による除菌や空気清浄機で清潔に保たれている
 

このたび、広島駅前という場所で開業されたのはなぜですか?

大学を卒業した10年前、広島市民病院で研修しており、研修後は出身大学の方に戻っていたのですが、その後機会があって山口県の岩国医療センターでしばらく働いていました。その頃もこの地区がどんどん変化していると感じていましたが、10年経つと本当に大きく変わりました。
開院を考えていたタイミングで、発展中のこの場所がクリニックを募集しているのを見つけ、運命的なものを感じました。

どのようなクリニックにしたいとお考えですか?

患者さんの希望をきちんと叶えてあげられる治療をしたいと思います。
たとえば学校や仕事など、みなさん様々な制約の中で生きていらっしゃると思いますが、病院というのはその合間で来るところですから、そんな中でもきちんと治療を受けられるような医療を提供していきたいと思います。

医師のプロフィール

能島大輔先生

●岡山大学医学部卒業
●広島市民病院 研修医
●岡山ろうさい病院
●岡山大学病院
●国立岩国医療センター
●ビッグフロント広島内科・呼吸器科 院長


‐資格・所属学会‐
・日本内科学会 総合内科専門医
・日本呼吸器学会 呼吸器専門医
・日本感染症学会 感染症専門医
・日本アレルギー学会 アレルギー専門医
・日本呼吸内視鏡学会 気管支鏡専門医

 

 
 

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咽喉頭異常感症は心理的要因が大きいといわれています。
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