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喉が痛い、熱、赤い発疹、舌にイチゴのような赤いブツブツ。風邪ではなく咽頭炎、扁桃腺炎、湿疹 中耳炎、飛び火を引き起こす溶連菌感染症かも。西村小児科 院長 西村真一郎先生】|病気や症状。治療や予防に役立つ 病院・医院・クリニック情報サイト『広島ドクターズ』
(この記事は2013年4月30日時点の情報です)

西村真一郎 先生(小児科)

喉の痛み・熱・赤いブツブツ・・・。風邪じゃなく「溶連菌感染症」かも?!

 
西村小児科
【住所】広島市安佐南区伴東5-19-23
【TEL】 082-849-6030 
喉が痛い、熱、赤い発疹、舌にイチゴのような赤いブツブツ。風邪ではなく咽頭炎、扁桃腺炎、中耳炎、飛び火を引き起こす溶連菌感染症かも。|西村小児科|西村 真一郎先生
子どもに笑顔を、親御さんに安心を届ける温かな診療で地域医療に貢献する西村院長
 
喉が痛くて、熱がある。風邪かなと思ったら、舌や手足に小さな赤いブツブツが?!
子どもがかかりやすい感染症のひとつ「溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)」。育児中のお母さんなら、耳にしたことのある病気ではないでしょうか。溶連菌は感染力が強いため、園や学校などの集団生活では注意していてもかかってしまうものです。症状が風邪と似ていることから見逃しがちですが、溶連菌はしっかり退治しておかないと感染を広めてしまったり、怖い合併症を引き起こすこともあるそうです。
今回のレポートは、「西村小児科」の院長、西村真一郎先生に、溶連菌感染症についてお話を伺いました。
西村先生のレポート記事が、お子さんの初期症状に早く気付いてあげられる、きっかけになればと思います。

溶連菌感染症とはどんな病気ですか?

溶連菌感染症とは「A群β溶血性連鎖球菌(略して溶連菌)」という細菌の感染症です。昔は「猩紅熱(しょうこうねつ)」と言われ、法定伝染病に指定される恐ろしい病気とされていましたが、抗生物質が開発された現在では診断さえつけば治療は容易になりました。
幼児や児童に感染することが多く、発症すると喉の痛み、熱、発疹などといった症状が起こります。症状だけを見ると普通の風邪と見分けがつきにくいため、初期の段階で溶連菌感染症に気づかず受診が遅れることも多いです。

主に、どんな症状があるのでしょう?

連鎖球菌は数十種も存在し、何も悪さをしない菌もいますが、菌自体が体に悪影響を与えるものや、溶連菌の出す毒素によっていろんな症状が起こることもあります。溶連菌が体のどこにつくか、溶連菌が毒素を産生するかしないかによって症状は異なります。
一般的に多い症状としては、呼吸器感染による咽頭炎と扁桃腺炎です。喉の痛みが非常に強いお子さんは、熱がなくても溶連菌の可能性があります。また、「いちご舌」といって、舌の表面に赤いぶつぶつができることがあり、痛みはないのですが舌に違和感を感じます。
熱は40度近くの高熱が出ることもあれば、微熱の場合もあり、吐き気や腹痛を訴えるお子さんもいます。また、まれに中耳炎を起こすこともあります。

皮膚にも症状が出るそうですが。

喉の症状は秋から冬にかけて多くみられますが、逆に夏に多いのは皮膚感染です。溶連菌が産生する発疹毒素によって体や手足にブツブツができたり、蜂窩織炎(ほうかしきえん)といって皮膚の化膿性炎症が起こることがあります。
また、溶連菌が皮膚につくことで「とびひ」の原因にもなります。ブドウ球菌の感染によるジクジクした「とびひ」と違って、溶連菌ではかさぶたができるような「とびひ」が特徴です。
溶連菌の中には、「劇症型溶連菌感染症」という特殊なタイプもあり、これは一時「人食いバクテリア」とも呼ばれていたのですが、皮膚だけでなく筋肉まで炎症が広がる恐ろしいものです。通常、子どもがかかることはまずありませんが、命に関わる急性感染症のケースもごく稀にあります。また合併症として、心臓や腎臓に症状を及ぼす「リウマチ熱」や「糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)」などを発症することもありますので、溶連菌に感染したら長期化させず、きちんと完治しましょう。

そもそも溶連菌ってどんな細菌なのですか?

溶連菌そのものは日常どこにでもいるありふれた細菌で、年間を通して感染します。症状がなくても喉に溶連菌がついてる「健康保菌者」はそこらじゅうにいて、園や学校などの集団生活では5〜10%くらいの人が保菌者であると考えられます。溶連菌は感染力が強く、家族の中で一人溶連菌の患者さんが出ると、家族の約3割が保菌者になってしまい、そのうち3分の1の人が1ヵ月近く保菌すると言われています。知らない間に感染してしまったり、気を付けていても感染を防ぎにくいものなのです。
基本的には咳やくしゃみなどによる飛沫感染によるもので、園や小学校など集団生活をしているとやはり感染しやすく、5歳をピーク10代にかけてかかりやすい病気です。集団生活をしていない乳児が感染することは比較的少ないです。

治療についてお聞かせください。

診断の際は、綿棒で喉の菌を採取して調べます。5分ほどで溶連菌がいるかどうかがすぐに分かります。
基本的な治療は、ペニシリン系等の抗生物質を服用します。重症の方には注射をすることもありますが、お子さんの場合ほとんどはお薬を飲めば治ります。以前は1週間から10日程度が一般的でしたが、最近では5日間で効果があるお薬も出てきました。
お薬を飲めば24時間でほぼ菌は抑えられると言われていますが、リウマチ熱や糸球体腎炎の予防を考え、5日から10日間はお薬の服用を続けてもらいます。症状自体は1日で治まってきますが、熱が下がってから1日は園や学校をお休みするのが今の基準です。インフルエンザと違って治癒証明の必要はないですが、感染を拡大させないためにも守るようにしましょう。
皮膚の発疹については、抗生物質を服用し菌がいなくなれば、発疹毒素も減りブツブツが治まってきますので一般的に塗り薬は処方しませんが、かゆみがある場合は湿疹やかゆみを抑える抗ヒスタミン薬などのお薬を一緒に服用します。
また、腎炎を併発していないか確認するため、治ってから約3、4週間後に尿検査を受けましょう。

家庭で気を付けたいことはありますか?

基本的に水分の補給ができていれば大丈夫ですが、喉を痛がる時は、熱い物や辛い物は控えて、消化の良い食事を与えるようにしましょう。食べるのが辛そうでしたら、口当たりの良いゼリーなんかがいいと思います。熱が下がり、元気があれば入浴してもいいですよ。
家族間で感染することが多いので、同じ症状が出たら受診しましょう。

溶連菌感染症に関して注意したいことは?

風邪の症状と類似しているため、溶連菌感染症に気付かず受診が遅れるケースが多いですが、「喉を痛がる」「発熱」「体のブツブツ」の症状がお子さんにある場合、周りで溶連菌が流行っていないかどうかも参考に、疑いがある場合は早めに受診してください。
自分のもつ抵抗力で自然に熱が下がり、症状が治まることもありますが、溶連菌自体には問題がなくても合併症として腎炎を引き起こす場合があります。症状が治まったからと受診を見送ったり、お薬を中断したりせずに、確実に菌を消すようにしましょう。
溶連菌感染症は、1度なったら2度とかからないという病気ではないため、中には何度も繰り返しかかる子もいます。きちんと治療すれば防げる病気ですので、疑わしい症状があればかかりつけの先生に伝えて、きちんと検査してほしいと思います。

喉が痛い、熱、赤い発疹、舌にイチゴのような赤いブツブツ。風邪ではなく咽頭炎、扁桃腺炎、中耳炎、飛び火を引き起こす溶連菌感染症かも。|西村小児科|西村 真一郎先生
外観はスタイリッシュなデザイン、院内は図書館をイメージさせる親しみのある空間
 

小児科診療を通じて感じていることは?

今やインターネットをはじめ、様々なメディアで手軽に情報が得られる時代になりましたので、病気の知識をある程度持ったうえで受診される方も多いと思います。これからの小児科診療では、実際にお子さんを診て、この子の状態はこうだということを親御さんの知識に照らし合わせて説明し、納得していただくことが大切だと感じています。
親御さんの中には、お子さんの健康についてすごく心配される方もいらっしゃいます。溶連菌などはお薬をちゃんと飲んで治していけば、決して深刻な病気ではないのですが、病気を診断して、お薬を出して、「大丈夫ですよ、心配ないですよ」では足りないんですね。きちんと説明して、納得してもらい、安心して帰って頂くことが、小児科医の重要な役割だと感じています。私としても、親御さんのホッとされた表情を見ると、やはり嬉しいですからね。

医師のプロフィール

西村真一郎先生

●広島大学医学部卒業
●社会保険広島市民病院勤務
●広島大学大学院医学系研究科修了
●広島大学医学部小児科助手
●広島大学医学部小児科講師
●広島大学医学部小児科助教授
●広島大学医学部小児科准教授


‐所属学会・資格‐

・医学博士
・日本小児科学会専門医
・日本血液学会専門医
・日本小児科学会
・日本小児血液・がん学会
・日本血液学会
・日本造血細胞移植学会

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